「あら、クラレットは?」
「あっえっと……。少し酔ったから夜風に当たるって」
「あら……。具合が悪いなら言ってくれれば良かったのに。じゃあ、バルコニーかしら」
エリザベスさまがバルコニーを見上げながらクラレットを探そうとしたので、遮るように目の前に立った。
「それより、どうしたんですか、その箱」
「ああ、そうだったわ。ケイトに届け物なの。さっき屋敷に届いたんだけど、仕立て屋スティルハートからになっているわ」
「え……なんだろう」
従者から受け取った箱を開けてみると、大きなサイズのドレスと小さなサイズのタキシードが入っていた。カードが一枚、一番上に載っている。
「エリザベスさま、すみません。このカードって何が書いてありますか?」
「そういえば、ケイトは文字は読めないんだったわね。貸してちょうだい」
シンプルな白いカードをエリザベスさまに渡す。
仕立て屋でよく使う単語は見れば分かるようになったけれど、文章となるとまだまだだった。一年間働くつもりなら、もう少し読み書きも勉強しないといけない。
「ええと、『クラレットの我慢が限界になったら役割を交換しろ。アッシュ』……だそうよ」
エリザベスさまが「どういう意味かしら」と首をかしげる。
「それって……もしかして」
ドレスもタキシードも、自分がよく知っているサイズに感じた。それはたぶん、気のせいなんかじゃない。
もしアッシュの狙いが私の考えたとおりなら、クラレットにしてあげられることがあるかもしれない。
「まあ、このドレスも素敵ねえ。タキシードは子ども用かしら」
「エリザベスさま、お願いがあります」
ドレスを興味津々に観察するエリザベスさまに向き合うと、私は不躾とも思える頼みを口に出した。
「あっえっと……。少し酔ったから夜風に当たるって」
「あら……。具合が悪いなら言ってくれれば良かったのに。じゃあ、バルコニーかしら」
エリザベスさまがバルコニーを見上げながらクラレットを探そうとしたので、遮るように目の前に立った。
「それより、どうしたんですか、その箱」
「ああ、そうだったわ。ケイトに届け物なの。さっき屋敷に届いたんだけど、仕立て屋スティルハートからになっているわ」
「え……なんだろう」
従者から受け取った箱を開けてみると、大きなサイズのドレスと小さなサイズのタキシードが入っていた。カードが一枚、一番上に載っている。
「エリザベスさま、すみません。このカードって何が書いてありますか?」
「そういえば、ケイトは文字は読めないんだったわね。貸してちょうだい」
シンプルな白いカードをエリザベスさまに渡す。
仕立て屋でよく使う単語は見れば分かるようになったけれど、文章となるとまだまだだった。一年間働くつもりなら、もう少し読み書きも勉強しないといけない。
「ええと、『クラレットの我慢が限界になったら役割を交換しろ。アッシュ』……だそうよ」
エリザベスさまが「どういう意味かしら」と首をかしげる。
「それって……もしかして」
ドレスもタキシードも、自分がよく知っているサイズに感じた。それはたぶん、気のせいなんかじゃない。
もしアッシュの狙いが私の考えたとおりなら、クラレットにしてあげられることがあるかもしれない。
「まあ、このドレスも素敵ねえ。タキシードは子ども用かしら」
「エリザベスさま、お願いがあります」
ドレスを興味津々に観察するエリザベスさまに向き合うと、私は不躾とも思える頼みを口に出した。



