「ケイト……。あのさ、僕の部屋でいっしょに」
「なら、ここに住めばいい」
肩を抱こうとしたセピアを遮って、アッシュが私の持っていたトレイを奪った。
「ちょっとアッシュ、何を言い出すの?」
クラレットが目を丸くしてアッシュの腕に触れようとするが、アッシュはそれをすいっと避けて言葉を続けた。
「この店の二階が住居になっている。俺たちの家は別にあるんだが、どうしても作業が終わらないときに泊まり込む用に使っている」
「そこを、使ってもいいんですか? アッシュさんが困るんじゃ」
「かまわないと言っている」
怒った声を出すアッシュに、セピアが疑うような視線を向ける。
「アッシュ、ケイトが来てからおかしくない? まさか狙ってるわけじゃないよね」
「誤解するな。俺はただ番犬のかわりにでもなると思っただけだ」
「ああ、そういうことか」
「まあ、空き巣は心配だったけど……」
合点がいったようにセピアが頷き、クラレットも表情を崩した。
番犬、という言葉にがっくり来たが、ようは泊まり込みの警備員みたいなものだろう。高価な布地やレース、製作途中のドレスもあるから空き巣を心配する気持ちもわかる。
「なら、ここに住めばいい」
肩を抱こうとしたセピアを遮って、アッシュが私の持っていたトレイを奪った。
「ちょっとアッシュ、何を言い出すの?」
クラレットが目を丸くしてアッシュの腕に触れようとするが、アッシュはそれをすいっと避けて言葉を続けた。
「この店の二階が住居になっている。俺たちの家は別にあるんだが、どうしても作業が終わらないときに泊まり込む用に使っている」
「そこを、使ってもいいんですか? アッシュさんが困るんじゃ」
「かまわないと言っている」
怒った声を出すアッシュに、セピアが疑うような視線を向ける。
「アッシュ、ケイトが来てからおかしくない? まさか狙ってるわけじゃないよね」
「誤解するな。俺はただ番犬のかわりにでもなると思っただけだ」
「ああ、そういうことか」
「まあ、空き巣は心配だったけど……」
合点がいったようにセピアが頷き、クラレットも表情を崩した。
番犬、という言葉にがっくり来たが、ようは泊まり込みの警備員みたいなものだろう。高価な布地やレース、製作途中のドレスもあるから空き巣を心配する気持ちもわかる。



