「一年間、離れ離れか」
遠くを見つめるアッシュ。さびしいと思ってくれたことが、嬉しい。昨日までは、離れたくない気持ちでいるのは自分だけだと思っていたから。
「大丈夫ですよ、アッシュさん」
彫刻のように整ったその横顔に、言葉をかける。
「一生会えないと思っていたんだから、一年くらいどうってことないです。私、その間に頑張って、もとの世界でもお金を貯めます。アッシュさんが来てくれたらすぐに一緒に暮らせるように」
この一年があっという間だったように、アッシュを想いながら過ごす一年も、きっとあっという間だと思う。やるべきことはたくさんあるし、そのどれもがふたりのためだと思うときっと楽しい。
「ケイト……。俺もその間、おばあさまに異世界のことを聞いて勉強しておく。合流したらすぐに、服を作る仕事で稼げるように」
「アッシュさんの作るお洋服ならきっと、私の世界でも大人気になりますよ。私が保証します」
ふんふん、とうなずきながら私たちを見守っていた有栖川さまが、おねだりするように切り出した。
「ねえ、久しぶりに再会した祖母に対して、歓迎会とかそういうものはないのかしら?」
「おばあさまは、少し反省してください」
ちっとも怒っていない口調で三人がそう言うから、私は思わず声に出して笑ってしまったのだった。
遠くを見つめるアッシュ。さびしいと思ってくれたことが、嬉しい。昨日までは、離れたくない気持ちでいるのは自分だけだと思っていたから。
「大丈夫ですよ、アッシュさん」
彫刻のように整ったその横顔に、言葉をかける。
「一生会えないと思っていたんだから、一年くらいどうってことないです。私、その間に頑張って、もとの世界でもお金を貯めます。アッシュさんが来てくれたらすぐに一緒に暮らせるように」
この一年があっという間だったように、アッシュを想いながら過ごす一年も、きっとあっという間だと思う。やるべきことはたくさんあるし、そのどれもがふたりのためだと思うときっと楽しい。
「ケイト……。俺もその間、おばあさまに異世界のことを聞いて勉強しておく。合流したらすぐに、服を作る仕事で稼げるように」
「アッシュさんの作るお洋服ならきっと、私の世界でも大人気になりますよ。私が保証します」
ふんふん、とうなずきながら私たちを見守っていた有栖川さまが、おねだりするように切り出した。
「ねえ、久しぶりに再会した祖母に対して、歓迎会とかそういうものはないのかしら?」
「おばあさまは、少し反省してください」
ちっとも怒っていない口調で三人がそう言うから、私は思わず声に出して笑ってしまったのだった。



