「すまない。これ以外にいい方法が思いつかなかったんだ」
「まったく、あなたって人はいつも唐突なんだから! ……しょうがないわね。お店のことは私たちに任せて。腕のいいお針子も雇わなくちゃね」
「アッシュたちをじゃんじゃん呼び出せるくらい、たくさん稼ぐからね。僕の時代が来たって、国中の人に言わせてやるんだから」
「期待してる」
みんなで涙をふいて、笑い合った。
「ケイト。君の祖母のお店は、俺たちふたりで作ろう」
「はい」
まさか異世界の人といっしょに約束を果たすことになるなんて、天国のおばあちゃんもびっくりするに違いない。
「ウォルさま。最後にひとつだけ聞きたいことがあります」
「何だい?」
愉快そうな顔で私たちを見守っていたウォルに、アッシュが問いかける。
「あなたは、こうなることがわかっていてこの勝負を持ちかけたんじゃないですか? あなたほどの人が、この結末を予想できなかったとは思えない」
ウォルは懐かしい顔でふっと笑った。そう、『仕立て屋スティルハート』でアッシュに難題を投げかけるときに、そっくりの。
「さあ? たとえそうだとしても、君には教えてあげないよ」
「まったく、あなたって人はいつも唐突なんだから! ……しょうがないわね。お店のことは私たちに任せて。腕のいいお針子も雇わなくちゃね」
「アッシュたちをじゃんじゃん呼び出せるくらい、たくさん稼ぐからね。僕の時代が来たって、国中の人に言わせてやるんだから」
「期待してる」
みんなで涙をふいて、笑い合った。
「ケイト。君の祖母のお店は、俺たちふたりで作ろう」
「はい」
まさか異世界の人といっしょに約束を果たすことになるなんて、天国のおばあちゃんもびっくりするに違いない。
「ウォルさま。最後にひとつだけ聞きたいことがあります」
「何だい?」
愉快そうな顔で私たちを見守っていたウォルに、アッシュが問いかける。
「あなたは、こうなることがわかっていてこの勝負を持ちかけたんじゃないですか? あなたほどの人が、この結末を予想できなかったとは思えない」
ウォルは懐かしい顔でふっと笑った。そう、『仕立て屋スティルハート』でアッシュに難題を投げかけるときに、そっくりの。
「さあ? たとえそうだとしても、君には教えてあげないよ」



