「異世界の人は女性でもトラウザーズを履くの? この上着はどうして透けているの?」
「とらうざーず……?」
「この、下衣のこと」
美少年がワイドパンツを指差す。
「ああ。はい、向こうでは――」
興味津々に目を輝かせる美少年に説明しようとしたら、またしてもお店の扉が開いた。ボリュームのあるシルエットとけたたましい声が同時に飛び込んでくる。
「セピア! いつまで玄関の外でおしゃべりしているの? お客さまだったら早く入ってもらいなさい」
店内から出てきたのは、迫力のある長身の美女だった。くりんくりんに巻いた金髪はハーフアップでまとめてあり、瞳の色と合わせた薄紫色のドレスを着ている。裾がふわっと広がっており、ぴったりした長袖も肩のところだけパフスリーブになっていて、彼女の華やかな雰囲気に合っていた。
「クラレット。ごめんごめん、珍しい服を見たからつい夢中になっちゃって」
「もう。レディに立ち話させちゃだめよ」
腰に手を当てた美女はセピアに注意すると、私に向かってにっこり微笑んだ。
「珍しいお客様ですわね。ささ、どうぞお入りくださいな」
「あ、いえ、私は客じゃなくて……」
「いいから、早く早く」
「とらうざーず……?」
「この、下衣のこと」
美少年がワイドパンツを指差す。
「ああ。はい、向こうでは――」
興味津々に目を輝かせる美少年に説明しようとしたら、またしてもお店の扉が開いた。ボリュームのあるシルエットとけたたましい声が同時に飛び込んでくる。
「セピア! いつまで玄関の外でおしゃべりしているの? お客さまだったら早く入ってもらいなさい」
店内から出てきたのは、迫力のある長身の美女だった。くりんくりんに巻いた金髪はハーフアップでまとめてあり、瞳の色と合わせた薄紫色のドレスを着ている。裾がふわっと広がっており、ぴったりした長袖も肩のところだけパフスリーブになっていて、彼女の華やかな雰囲気に合っていた。
「クラレット。ごめんごめん、珍しい服を見たからつい夢中になっちゃって」
「もう。レディに立ち話させちゃだめよ」
腰に手を当てた美女はセピアに注意すると、私に向かってにっこり微笑んだ。
「珍しいお客様ですわね。ささ、どうぞお入りくださいな」
「あ、いえ、私は客じゃなくて……」
「いいから、早く早く」



