ポンコツ女子、異世界でのんびり仕立屋はじめます

 そのあとすぐ、息を切らせて帰ってきたクラレットに一部始終を話すと、

「してやられたけれど、思ったより大やけどをしなくて良かったわ」

 と言われた。

「私がいない時間にタイミングよく来るなんて、ウォルさまはどこかでお店を監視していたんじゃないかしら」という物騒な言葉も。

「それで、この贈り物はどうすればいい?」

 なんだかずっしりしている小箱を、ずっと持っているのが落ち着かない。

「ケイトがいただきなさいよ。あなたが頑張ったからもらったものなんだから」

「いいの? お客さまからいただいちゃって……」

「普段だったらお返しするところだけど、新年の贈り物だし大目に見るしかないわね。早く開けて見せてちょうだい」

 クラレットも中身は気になるようで、そわそわしながら開封をうながされた。

「うん。ちょっと待って」

 リボンをほどいて外箱を開けると、ずっしりした金色の宝石箱が現れる。底にネジがついていて、オルゴールになっているみたいだった。

「わあ、かわいい! オルゴールだ。何の曲だろう」

「あの方がオルゴールだけですませるわけがないでしょう。それはアクセサリーボックスのかわりよ。中を開けてみなさい」