「あのさ、僕……。ここ数日で今まで付き合ってた女の子全員に会ってきたんだ」
「えっ?」
声がひっくり返ってしまった私とは反対に、セピアはいつになく静かな口調だった。
「今までありがとうってお礼と、好きな人ができたからもう会えない、ごめんって伝えてきた」
すぐには状況が飲みこめない頭で、アッシュが『セピアが頑張っていた』と言っていたことはこれだったのか、と察した。
「ど、どうして?」
訊かなくてもわかっていることなのに、心臓がドキドキ音を立てるから、そんな言葉しか出てこない。
本人の口からわざわざ聞こうとするなんて、自分が計算高い悪女になったみたいで、嫌になる。
「ケイトが、女性関係がだらしない男はダメだって言うから」
セピアからは、予想通りの答えが返ってくる。
「でも私、もとの世界に帰るからどのみちお付き合いはできないって」
「うん、わかってる。でも、そうでもしないと真剣に向き合ってくれないと思ったから。僕が女性関係を清算したって言ったら、ケイトは嫌でもちゃんと考えてくれるでしょう? そういう性格なのを利用してるみたいでごめん。だけど……」
そこで言葉を切って、セピアが私の瞳をまっすぐ見つめる。私は今までちゃんと、彼をこんなふうにまっすぐに見ていただろうか。栗色の大きな瞳がこんなにきれいなことにも、誠実に話をするときに眉尻が少し下がることにも、気付かずにいた。
「僕が真剣なことは、ちゃんとわかって欲しいって思ったから。今までみたいに遊びだって思われるのは嫌だったから」
どうせ本気じゃないって、決めつけていた。セピア本人にもきっと、傷つけるような言葉を浴びせていた。あの夜のことを思い出すと、申し訳なさで胸が痛む。
「えっ?」
声がひっくり返ってしまった私とは反対に、セピアはいつになく静かな口調だった。
「今までありがとうってお礼と、好きな人ができたからもう会えない、ごめんって伝えてきた」
すぐには状況が飲みこめない頭で、アッシュが『セピアが頑張っていた』と言っていたことはこれだったのか、と察した。
「ど、どうして?」
訊かなくてもわかっていることなのに、心臓がドキドキ音を立てるから、そんな言葉しか出てこない。
本人の口からわざわざ聞こうとするなんて、自分が計算高い悪女になったみたいで、嫌になる。
「ケイトが、女性関係がだらしない男はダメだって言うから」
セピアからは、予想通りの答えが返ってくる。
「でも私、もとの世界に帰るからどのみちお付き合いはできないって」
「うん、わかってる。でも、そうでもしないと真剣に向き合ってくれないと思ったから。僕が女性関係を清算したって言ったら、ケイトは嫌でもちゃんと考えてくれるでしょう? そういう性格なのを利用してるみたいでごめん。だけど……」
そこで言葉を切って、セピアが私の瞳をまっすぐ見つめる。私は今までちゃんと、彼をこんなふうにまっすぐに見ていただろうか。栗色の大きな瞳がこんなにきれいなことにも、誠実に話をするときに眉尻が少し下がることにも、気付かずにいた。
「僕が真剣なことは、ちゃんとわかって欲しいって思ったから。今までみたいに遊びだって思われるのは嫌だったから」
どうせ本気じゃないって、決めつけていた。セピア本人にもきっと、傷つけるような言葉を浴びせていた。あの夜のことを思い出すと、申し訳なさで胸が痛む。



