クラレットに髪と着付けを手伝ってもらい、いつもの二倍スピードで支度を済ませたあと、私は早足で一階に下りていった。
「アッシュさん!」
暖炉の前で紅茶を飲んでいたアッシュめがけて駆け寄ったら、ぎょっとした顔をされた。
「……突進されるかと思った」
「ご、ごめんなさい」
そうだった、この世界の淑女はドレスで走ったりしないんだった。
もじもじしている私の姿を、アッシュがじっと見下ろす。
「今日のドレスのアレンジ、よく似合っているな」
「あ、これですか? ありがとうございます」
今日はモスグリーンのドレスにした。胸元がハート型に開いており、カーブに沿って生成りの糸で刺繍がほどこされている。肩は控えめに膨らんでいて、袖からは生成りの幅広レースが覗いているのがポイントだ。
生成り色と相性のいいドレスだから、クリーム色に近いかぎ編みのショールを肩からかけていた。
髪の毛も、お嬢様っぽく編み込みのハーフアップにして、レース編みのヘアアクセをつけている。『若草物語』とか『サウンド・オブ・ミュージック』のほっこりしたイメージだったのだが、褒めてもらえて嬉しい。
「体調は大丈夫なのか」
口調はぶっきらぼうなのに、心配そうなのが透けてみえるから面白い。
彼のクールさにも、微笑ましいと思えるくらいには慣れたみたい。
「はい、もうすっかり。アッシュさん、ありがとうございました」
「何のことだ」
冷たい瞳で射すくめられて、一瞬硬直してしまった。
そうだ、クラレットはアッシュがいろいろしてくれたことを口止めされていたんだっけ。そのまま話してしまったら、クラレットも私も怒られてしまうことは間違いない。
「アッシュさん!」
暖炉の前で紅茶を飲んでいたアッシュめがけて駆け寄ったら、ぎょっとした顔をされた。
「……突進されるかと思った」
「ご、ごめんなさい」
そうだった、この世界の淑女はドレスで走ったりしないんだった。
もじもじしている私の姿を、アッシュがじっと見下ろす。
「今日のドレスのアレンジ、よく似合っているな」
「あ、これですか? ありがとうございます」
今日はモスグリーンのドレスにした。胸元がハート型に開いており、カーブに沿って生成りの糸で刺繍がほどこされている。肩は控えめに膨らんでいて、袖からは生成りの幅広レースが覗いているのがポイントだ。
生成り色と相性のいいドレスだから、クリーム色に近いかぎ編みのショールを肩からかけていた。
髪の毛も、お嬢様っぽく編み込みのハーフアップにして、レース編みのヘアアクセをつけている。『若草物語』とか『サウンド・オブ・ミュージック』のほっこりしたイメージだったのだが、褒めてもらえて嬉しい。
「体調は大丈夫なのか」
口調はぶっきらぼうなのに、心配そうなのが透けてみえるから面白い。
彼のクールさにも、微笑ましいと思えるくらいには慣れたみたい。
「はい、もうすっかり。アッシュさん、ありがとうございました」
「何のことだ」
冷たい瞳で射すくめられて、一瞬硬直してしまった。
そうだ、クラレットはアッシュがいろいろしてくれたことを口止めされていたんだっけ。そのまま話してしまったら、クラレットも私も怒られてしまうことは間違いない。



