クラレットの看病のおかげで、数日後には私はすっかり回復していた。
「うん、今日からはお店に出ても大丈夫そうね」
朝、様子を見に来てくれたクラレットが笑顔で太鼓判を押してくれる。
「良かったあ。クラレット、本当にありがとうね。私ひとりだったら、この世界の薬のこともわからずに長引いていたと思う。あとでちゃんとお礼させてね。お世話になりました」
頭を下げると、クラレットが複雑な顔をしていた。まさかお礼をされるのが嫌なのか、と思ったのだが、少しこそこそした音量で打ち明けられた。
「口止めされていたんだけど……。私だけが感謝されるのもむずがゆいから話しておくわね。あなたの食べていた食事や薬は、アッシュが用意したものなのよ」
「えっ、アッシュさんが……?」
「毎日、メイドにあれこれ注文をつけて消化にいいものを作らせていたわね。薬も、よく効くって評判のいいものをわざわざ自分で買いに行っていたし」
あのアッシュが、わざわざそんなことまでしてくれていたなんて。いや、従業員のために尽くすことを当たり前だと思う人だというのは知っている。
それでも、見えないところでひっそりと彼の優しさを受け取っていたという事実は、私の心臓を逸はやらせるにはじゅうぶんだったわけで。
「……アッシュさんって、もうお店に来てる?」
焦った口調でたずねる私を見て、クラレットが微笑む。その表情はなんだか、いたずらが成功したときの子どものようだった。
「来てるわよ。ケイトが今日からお店に出れるって言ったら、一緒に早く来たもの」
「お礼言ってくる!」
ナイトドレスのまま部屋を飛び出そうとした私の腕をクラレットがつかむ。
「その前にドレスと髪! お化粧! あなた本当に女の自覚ないわね!」
女教師モードのこわい顔で怒られた。
「はい……」
「うん、今日からはお店に出ても大丈夫そうね」
朝、様子を見に来てくれたクラレットが笑顔で太鼓判を押してくれる。
「良かったあ。クラレット、本当にありがとうね。私ひとりだったら、この世界の薬のこともわからずに長引いていたと思う。あとでちゃんとお礼させてね。お世話になりました」
頭を下げると、クラレットが複雑な顔をしていた。まさかお礼をされるのが嫌なのか、と思ったのだが、少しこそこそした音量で打ち明けられた。
「口止めされていたんだけど……。私だけが感謝されるのもむずがゆいから話しておくわね。あなたの食べていた食事や薬は、アッシュが用意したものなのよ」
「えっ、アッシュさんが……?」
「毎日、メイドにあれこれ注文をつけて消化にいいものを作らせていたわね。薬も、よく効くって評判のいいものをわざわざ自分で買いに行っていたし」
あのアッシュが、わざわざそんなことまでしてくれていたなんて。いや、従業員のために尽くすことを当たり前だと思う人だというのは知っている。
それでも、見えないところでひっそりと彼の優しさを受け取っていたという事実は、私の心臓を逸はやらせるにはじゅうぶんだったわけで。
「……アッシュさんって、もうお店に来てる?」
焦った口調でたずねる私を見て、クラレットが微笑む。その表情はなんだか、いたずらが成功したときの子どものようだった。
「来てるわよ。ケイトが今日からお店に出れるって言ったら、一緒に早く来たもの」
「お礼言ってくる!」
ナイトドレスのまま部屋を飛び出そうとした私の腕をクラレットがつかむ。
「その前にドレスと髪! お化粧! あなた本当に女の自覚ないわね!」
女教師モードのこわい顔で怒られた。
「はい……」



