ポンコツ女子、異世界でのんびり仕立屋はじめます

「でも今の話を聞いていると、両親に甘えられなかったのはクラレットとアッシュさんも同じだったんじゃないの? ふたりは大丈夫だったの?」

「私たちには、祖母がいたから」

 以前、アッシュに聞いたことがある。祖母がお茶が好きだったから自然と淹れるのがうまくなったということ。

「祖母は私たちをすごくかわいがってくれてね。忙しい両親にかわって私たちを育ててくれたわ。アッシュと私は小さい頃、すごくおばあちゃん子だったのよ」

「そうなんだ。私もおばあちゃん子だったよ」

 思わず、自分のおばあちゃんを思い出してしまった。私が異世界に来てしまったのが、大人になってからで良かったかもしれない。おばあちゃんが生きているころだったら、きっと心配のしすぎで心臓が止まっていたと思うから。

「そうなの。お揃いね」

 クラレットはやっと、ふっと微笑んでくれたが、すぐに悩ましい顔に戻ってしまった。

「でもね、まだセピアが物心つかない頃に、祖母は亡くなってしまったの。祖父が亡くなってからずっと気落ちしていたし、早くおじいちゃんのところに行きたかったんでしょうね。でも私たちが心配だったから、私とアッシュがしっかりするまでは頑張ってくれたんだと思う。感謝しているわ」

 しんみりした空気が、私たちの間に流れた。