ポンコツ女子、異世界でのんびり仕立屋はじめます

「ちょ、ちょっと、セピアくんそんなことまでしゃべったの?」

「弟は姉には逆らえない運命なのよ。私が『話せ』って言ってセピアが拒否できると思う?」

「思いません……」

 しかもクラレットの場合、兄でもあるし。

「それもショックだったんだけど、でも私、その女の子の気持ちがわかっちゃったのがもっとショックだったかな。セピアくんよりその子に同情してた」

 自分を好きだと言ってくれた男の子より、ある意味ライバルだとも言える女の子のほうに肩入れしていた。それも、無意識に。

「やっぱり私って恋愛に向いてないし、男性に好かれるような性格じゃないなって再確認しちゃったよ」

 自嘲しながらシチューを食べ尽くした私を、クラレットがじっと見ていた。

「そんなに見つめなくても、ちゃんと全部食べたから。ほら」

 空になった器をクラレットに見せたら、呆れた顔でため息をつかれた。

「な、なんでため息つくの」

「……あなた、セピアの気持ち、真剣に考えていないでしょう」

 見透かすような眼差しで言われて、ぎくっとした。