試合、やらないのかな?


私がそう思い始めた時、彼が声を上げた。












「あの、成宮さん!」









ザワザワとした周りの声をかき消すような大きな声を発した彼。









「……はい。」











大きな声に少し驚きつつも、私は彼の方に視線を向ける。


そこにいた彼は、なぜか真っ赤な顔で直立していて…







また熱中症かな?なんて考えていると、彼は金魚のように口をパクパクとさせ始めた。


なかなか言葉を発さない彼に、そこにいた全員が静かに注目する。