君のとなりで恋をします。─上─



















「言わねぇの?」





「…言わない。」












私が力強く頷くと、桜河は「わかった」と小さく呟いた。




珍しい桜河の素直さに拍子抜けしつつも、安堵のため息をついたのも束の間…

視界がグワンと回って、一気に目線が高くなる。












「───え、えぇ!?ちょっと、何!?

…下ろしてよ!」










桜河の肩に、荷物のように担がれた私。

太腿には桜河の大きな手が添えられていて…










「こら、桜河!

下ろせ!…へ、変態!」








ジタバタと暴れる私を無視して、桜河は咲花達の方を振り返る。











「ちょっとこいつと話してくるわ。

咲花、葵斗の面倒見といて。」










唖然とする咲花と葵斗にそれだけ言い残すと、桜河はズンズンと歩みを進める。





…すれ違う人達の視線が痛い。


そりゃそうだ。

普通、人をこんな担ぎ方しない。





半ば諦めて、ただ桜河の肩にしがみついた。