君のとなりで恋をします。─上─












「あ!ゆーくん待ってるんだよね!?」







「…さすがに義母さんが旅館の方に連れて行ってると思うけど…。」








「じゃあ、早く迎えに行ってあげて?」











正直離れ難いけど、優吾をずっと旅館に預かってもらうわけにもいかないし…

自分のワガママをぐっと押し殺して彼女の手を離す。






離れた2人の手を見て、少しだけ寂しげな顔をする彼女を俺は見逃さなかった。














「…じゃあ、またね。

気をつけて帰ってね?」










にっこりと笑ってこちらに手を振る彼女に、
俺は一歩だけ歩み寄る。