「ごめん、この謝恩会にも結構俺の知り合いが出席しているみたいだ。声をかけられるかもしれないけど、気にしないでくれ」

「……わかりました」

さっき、水城さんは『あんまり人に知られたくない』と言っていた。これ以上週刊誌で騒がれたくない、そう言うことなのだろうか。

「食事、なにか取りに行かないか? お腹減ってるだろ?」

「え、あ、はい。そうですね」

悶々としていると、不意に明るい声で水城さんに言われて顔をあげる。

あーだめだめ、今は余計なこと考えないようにしよう。

私は頭の中を切り替えて、水城さんと食事を楽しむことにした。