「ううん、平気。今夜は忙しそうだね」
「今夜も、だろ? すまないけどこう忙しくっちゃ愛美ちゃんの夕食の用意ができるかわからねぇな」
「大丈夫、お昼結構食べたから、そんなにお腹空いてないんだ」
叔父に笑顔で返すと、私はいつものようにピアノに向かう。
「お! ピアノが始まるぞ、明るいノリのいい曲を頼むよ」
「はい、わかりました。任せてください」
少し酔った男性客に言われて気合を入れる。
梨花さんに私の演奏を馬鹿にされたけど、私は私。彼女みたいな演奏はできないかもしれない。でも、それでも楽しんでくれるお客さんがいるんだから……。
そう思うと、なにげに胸に刺さっていた梨花さんの言葉が綺麗に消え去っていくような気がした。
今夜は少し早めに店に着いたため、いつもよりも二、三曲多く演奏した。
ピアノを弾いている間に踊りだす人や、歌いだす人がいて私まで楽しくなる。そして、一時間、二時間経つとピーク時に比べて店内が少し落ち着いてきた。
「今夜もありがとうございました」
最後の一曲を弾き終える。お客さんにお辞儀をして拍手をもらい、バッグに楽譜をしまっていたときだった。
「なかなかいい演奏だったじゃないか」
「今夜も、だろ? すまないけどこう忙しくっちゃ愛美ちゃんの夕食の用意ができるかわからねぇな」
「大丈夫、お昼結構食べたから、そんなにお腹空いてないんだ」
叔父に笑顔で返すと、私はいつものようにピアノに向かう。
「お! ピアノが始まるぞ、明るいノリのいい曲を頼むよ」
「はい、わかりました。任せてください」
少し酔った男性客に言われて気合を入れる。
梨花さんに私の演奏を馬鹿にされたけど、私は私。彼女みたいな演奏はできないかもしれない。でも、それでも楽しんでくれるお客さんがいるんだから……。
そう思うと、なにげに胸に刺さっていた梨花さんの言葉が綺麗に消え去っていくような気がした。
今夜は少し早めに店に着いたため、いつもよりも二、三曲多く演奏した。
ピアノを弾いている間に踊りだす人や、歌いだす人がいて私まで楽しくなる。そして、一時間、二時間経つとピーク時に比べて店内が少し落ち着いてきた。
「今夜もありがとうございました」
最後の一曲を弾き終える。お客さんにお辞儀をして拍手をもらい、バッグに楽譜をしまっていたときだった。
「なかなかいい演奏だったじゃないか」



