「水城さん、今夜はお忙しい中招待して頂いてありがとうございました。お料理、とっても美味しかったです」
店から出ると、すでにタクシーが停まっていて水城さんが気を利かせて優香と川野さんのために配車してくれたようだ。
「こちらこそ、楽しい時間が過ごせた。川野君、プレゼンの話、受けてくれてありがとう。期待している」
「いえ、もう今から会社に戻って資料作りしたいくらいです。けど、今夜は少し飲み過ぎたみたいで……」
あはは、と川野さんは笑って水城さんと握手を交わした。
「優香、このプレゼン、頑張るよ。水城さんがくれたチャンスだ。それで、もし……もしもうまくいったら……、あ、いや、この話は今じゃないな」
「健太さん?」
優香が言葉を濁す川野さんに怪訝な顔を向けると、川野さんは顔を赤くして頭をカリカリと掻いた。
「タクシーが待ってる、行こうか」
「う、うん」
川野さんが優香の手を引いてタクシーに乗り込むと、車はその場を後にした。
「川野さん、もしもうまくいったら……って、なにか言いかけてましたね」
タクシーが見えなくなるまで見送って、水城さんを見る。
「ああ、男の名を懸けた一世一代イベントになりそうだな」
「え?」
「いや、こっちの話」
一世一代イベント? プレゼンのことかな?
きょとんとしている私にクスッと笑って、水城さんが私の肩を抱いて引き寄せた。
店から出ると、すでにタクシーが停まっていて水城さんが気を利かせて優香と川野さんのために配車してくれたようだ。
「こちらこそ、楽しい時間が過ごせた。川野君、プレゼンの話、受けてくれてありがとう。期待している」
「いえ、もう今から会社に戻って資料作りしたいくらいです。けど、今夜は少し飲み過ぎたみたいで……」
あはは、と川野さんは笑って水城さんと握手を交わした。
「優香、このプレゼン、頑張るよ。水城さんがくれたチャンスだ。それで、もし……もしもうまくいったら……、あ、いや、この話は今じゃないな」
「健太さん?」
優香が言葉を濁す川野さんに怪訝な顔を向けると、川野さんは顔を赤くして頭をカリカリと掻いた。
「タクシーが待ってる、行こうか」
「う、うん」
川野さんが優香の手を引いてタクシーに乗り込むと、車はその場を後にした。
「川野さん、もしもうまくいったら……って、なにか言いかけてましたね」
タクシーが見えなくなるまで見送って、水城さんを見る。
「ああ、男の名を懸けた一世一代イベントになりそうだな」
「え?」
「いや、こっちの話」
一世一代イベント? プレゼンのことかな?
きょとんとしている私にクスッと笑って、水城さんが私の肩を抱いて引き寄せた。



