「ああ、シオン、悪かったな」

シオンはごろんとひっくり返ってお腹を撫でてと催促した。

「実は、シオンが寂しくなった原因だけど……俺なりに心当たりがあるんだ」

「え?」

「俺が出張している間、今まで体調がおかしくなったことはないんだ。けど、今回の出張は俺が忙しさにかまけて“出張するから留守番頼むな”って声をかけて行かなかった。だから、俺がいきなりいなくなったって思って不安になったのかもしれないな」

すると、シオンは「そうなのよ!」というようにニャン!と鳴いて、安心したのかまた本棚の上に駆け上がって丸くなった。

「ふふ、シオンちゃん、ちゃんと言葉がわかるんですね」

「だな、今回のことは俺も反省したよ」

水城さんは小さく苦笑いをして私の手を握った。私も彼に寄り添いたくて、自然と水城さんの肩に頭を預けた。

「ベッドで一緒に寝ようか、そのほうが俺もよく眠れる」

「はい」

私の額に水城さんの唇が落とされる。その柔らかな感覚に誘われるように、私は心地よい微睡に身を委ねた――。