偽恋人からはじまる本気恋愛!~甘美な罠に溺れて~

『今、車でちょうど移動中で、神楽坂近辺を走ってるんです。たぶん、十分もしないでそっちに行けますから』

なんという偶然。マンションの場所はすでに優香から聞いているのだろう。

私はコクコクと頷いて、「よろしくお願いします」と言って電話を切った。

「シオンちゃん、大丈夫だからね」

どことなく元気のないシオンの頭を撫でると、さっそく私は出かける準備をした。シオンをキャリーケースの中へ入れ、戸締りをしてからマンションのエントランスまで急いだ。