シオンのことを、私と水城さんの間にできた子ども……だなんて、一瞬重ね合わせて見えたせいで、それが映像となって夢で現れたのかも。

あ~恥ずかしい! って、私、もしかして昨日あのまま寝ちゃったの?

見ると、昨夜ソファに座ったときのままの恰好をしている。

昨日の朝は見送りのために朝が早かった。そして、仕事で疲れていたせいか、室温もソファの座り心地も快適で、一度も目が覚めることなく翌朝を迎えてしまったようだ。

時刻は七時。

そうだ! シオンちゃんの朝ご飯あげなきゃ!

先日、水城さんの部屋に泊まったときシオンがベッドまで起こしに来てくれた。けれど、今朝は鳴き声すらせず静かで、なんとなく違和感を覚えた。

「シオンちゃん?」

名前を呼んでも反応はない。今さら私に怯えて隠れるなんてことも考えられない。いつもの本棚の上にもいない。

どこ行っちゃたんだろ……ッ!?

ふと見ると、フローリングにシオンが吐いた物が目に入って、私は慌ててソファから立ち上がる。

「シオン!?」