シオンにひもじい思いをさせないよう、なるべく早くマンションへ行くつもりで今日は昼休み返上で仕事をした。そのためか、今になってどっと疲れが押し寄せた。

ソファに座ってひと息つく。座り心地が良くて、お尻がすっと沈んだ。

少し休ませてもらおう。まだ終電までに間に合う時間だし……。

身体の力を抜いて凭れる。

もし、このマンションで水城さんと一緒に暮らすことになったら、結婚を意識した付き合いだし、私も彼との将来にちゃんと向き合いたい。

そんなことをあれこれ考えていたら、だんだん思考が緩慢になってきて私はいつの間にか睡魔に誘われてそのまま寝入ってしまった――。

――ああ、君によく似た可愛い女の子だ
――ふふ、でも目元は水城さんにそっくりですね
――俺たちの間にできた大切な命だ。ふたりで大事に育てていこう
――はい……
――愛美、愛してる

ッ……!? あ、あれ?

ビクッと身体を震わせて目を開けると、朝の太陽が部屋を照らしていた。

い、いまのは、夢? にしたって、私、なんて気の早い夢を見たんだろう。