「すぐご飯にするからね」

ニャー!

シオンのお気に入りだというカリカリ(ペットフード)を器に入れて、缶詰も混ぜる。

「はい、どうぞ」

シオンはお腹が空いていたようで、床に器を置くとすぐにガツガツと食べ始めた。
今までペットを飼った経験はないけれど、シオンのことは自然と受け入れられた。水城さんの大事な家族だと思うと、私も仲良くなりたいと思った。

「シオンちゃんは、私をどう思う?」

小さな頭をそっと撫でながらそんなことを問う。

あっという間にご飯を平らげたシオンは私の問いかけになにも言わず、大きな目をクリっとさせてただじっと私を見つめた。

「シオンちゃんも水城さんのことが大好きなんだよね、私も……大好き、あ、シオンちゃんのことも大好きよ」

ニャン! ニャン!

“私もあなたのことが好き!”って言ってくれたのかな?

「ふふ、可愛い」

自分のいいように解釈して、もう一度シオンの頭をひと撫ですると空になった器を洗った。

シオンは落ち着いたようで、いつもの本棚の上で丸くなる。