偽恋人からはじまる本気恋愛!~甘美な罠に溺れて~

「ここは道が狭いから」

「ありがとうございます」

不意に肩を触れられて、思わずどきりとしてしまう。

「それにしても、どうしてアクアパッツァだったんだ?」

「あの、私……実は食べたことがないんです。お店で頼むと結構量が多くて、食べたいと思っても食べきれるか自信がなくて」

「なるほど、じゃあなおさら食べてもらわないとな」

会話をしながらあっち、こっちと指で案内されながら歩いて行くと、水城さんが思い出したかのように言った。

「あぁそうだ、ひとつ言い忘れてたことがあったんだ」

「え?」

「実は俺の家に同居人がいるんだけど……まぁ、彼女もあまり人を気にしないやつだし、君も仲良くしてくれると嬉しい」

か、彼女……? どうきょ、にん?

いきなりそんなことを言われて目が点になる。

水城さん、女の人と一緒に住んでるの? シェアメイト……みたいな?

これから彼の家に行こうというのに、とんでもない事を聞いてしまった気がする。