偽恋人からはじまる本気恋愛!~甘美な罠に溺れて~

よかった、これで着替えられるね。水城さんのスーツもちゃんと綺麗になってる。

新品同様に仕上がったスーツとドレスを手に水城さんの元へそれを持っていくと、なぜか彼は少し困ったような顔をしていた。

「まったく君は、クリーニングサービスのスタッフが男だったらどうするんだ。待てって言っただろう?」

「え?」

「そんなガウン一枚で、君は無防備すぎる」

見ると、合わせ目のところが大きく開いていて、今にも胸元がちらりと見えてしまいそうなとんでもない恰好をしていることに気づく。

「わ、私――ッ!?」

いつの間に乱れたのかわからないけれど、私はあまりの恥ずかしさにクリーニングした服を胸に抱え、くるりと水城さんに背を向けた。すると。

「さっきの話の続きしてもいいか?」

ふわりと背中に温もりを感じて心臓が飛び跳ねる。水城さんの両腕が回ってきたかと思うと、彼は私の身体を後ろから優しく抱きすくめた。

「さ、さっきの話って?」