「……ん…?」


「あら、山岡さん、起きた?」



目の前に、穏やかな笑みを浮かべた保健室の先生がいて、一瞬パニックを起こすけど、すぐ冷静になる。



そっか……私、倒れたから運ばれたんだ。



「山岡さん、気分は?」


「大丈夫です。ちょっとふらっとするけど」

布団に入ったまま答えた。



「そう。たぶん貧血だと思うけど、微熱もあるから休んでてね」

私の、「はーい」という返事を見届けると、先生はカーテンの外に出た。