「靴、おそろいみたいだな。」
階段を駆け上がってきた湊が樹の手を支える。

湊の言葉に樹が足元を見ると二人とも黒のスニーカーだった。

本当は”社長”のデートはお金のかかるスニーカーでは行けないようなところだったらどうしようかと悩んだ。でも、そんな場所ならば遠慮する理由になるかもしれないと結局スニーカーにした樹。

湊の服装にほっとしている自分がいた。

「気を付けて」
樹が階段を降りるのをエスコートしながら、湊は自分の車の助手席の扉を開けた。

樹を助手席に乗せるとそっとドアをしめて自分は運転席に座る。