樹は答えを出せないまま、湊とまずは向き合ってみること。嘘はつかないことを決めた。

湊から週末にデートをしないと誘われた樹はその誘いを受ける返事をした。


樹のアパートの前に湊の黒い乗用車が停まる。
樹がアパートの階段から降りていくと車を降りた湊が階段を駆け上がってきた。

普段のスーツとは違って、上下黒のパンツとTシャツに赤のチェックとシャツを羽織っている。普段はコンタクトなのか今日は眼鏡をかけていた。

いつもとは違う姿に胸が高鳴るのを樹は認めたくなくて、自分でも気づかないふりをした。

樹は最近少しパンツがきつくなってきているため、お腹周りにゆとりのあるロングのワンピースにシャツを羽織っっていた。足元は動きやすいようにスニーカーにしていた。