樹は陸のお墓の前に立っていた。
優しい風が吹いている。まるで陸が包み込んでくれているように思った。

「私、一人でこの子を産んで育てる。いっぱいいっぱい愛情を注いで、この子が胸を張って生きていけるように一生懸命頑張る。見守っていてくれる?」

樹は自分のお腹に手を当てた。

目を閉じて陸を想う・・・。

再び優しい風に包まれた。