突然自分の胸で泣き始めた樹に驚きながらも湊は樹の背中に両手をまわしさすりながら樹が泣き止むのを待った。

ひとしきり泣いた樹が湊の胸から離れると樹は「すみません」と謝った。
「ちょっと話すか」
と湊は樹を近くの公園に呼んだ。

二人でベンチに並び座る。樹の手には湊が買ってきた温かいココアが握られていた。
湊はブラックのコーヒーを飲んでいる。
こうして二人で会うのは二回目。

一回目は2か月も前だった。

なんとなくぎこちない空気が二人に流れている。
長い沈黙を破ったのは湊だった。