近くで子供の声がするとつい視線を向けてしまう二人。

「俺たち、パパとママなんだよなー。」
小さな子の泣き声に反応してつい足を止めて振り向いた二人は、目が合って笑った。
「うん・・・」
「今日はせっかく二人の時間なんだ。お迎えの夕方まで、楽しまないとな。」
「・・・うん・・・」
まだ樹は落ち着かない様子だ。

そんな樹を落ち着けようと湊が話しかける。

「今日はラーメン食べたいな」
「食べたい!」
子供が小さいうちはラーメン店には行けない。ラーメンが伸びてしまうからだ。
外食をしてもいつも先に湊が急いで食べて、そのあとに樹が少し冷めた食事を食べるようになってしまう。
なかなか子供と一緒だといけないところに、せっかくだから行こうと二人は家具の下見を済ませるとラーメン店に入った。