湊の気持ちの中にはまださまざまな葛藤があることを樹は知っていた。
だからこそ、自分と同じ思いを息子にはさせたくないと湊は今から準備していた。
「永遠が選んだ道を全力で応援できる父親になりたいな」
湊の言葉に樹が微笑む。
「私はそんな湊さんの隣で湊さんのことも永遠のことも支えられる強い妻と母親になりたいな」
「なれるかな~」
湊の言葉に樹が頬を膨らませる。
「ま、どんなことがあっても時間はいっぱいあるからな」
「うん」
樹はふとカフェから空を見上げた。今日の空は穏やかで陸を思い出す。
そんな妻を湊は微笑みながら見つめた。

この先どんなことがあっても大丈夫。一人じゃない。

そんなことを考えながら三人の穏やかな時間が流れた。