ひまわり畑を散歩した後は思い出のカフェに入った。
「オムライスと桃シャーベットとオレンジジュースを二つずつ」
湊の言葉になつかしさがこみ上げて樹が微笑む。
「一年前だね」
樹の言葉に湊が微笑み返す。
「懐かしいな」
「うん」
「あの時、お前はママのお腹の中にいたんだぞ?」
湊がベビーカーで寝ている永遠の頬を撫でる。
「こうして眠ってると本当に天使だよな。最近寝顔しか見れてないな、俺」
「パパは家族のために頑張ってお仕事してくれてるんだから、仕方ないよ」
「でも、このままじゃ俺とおんなじ想いをさせて永遠が大きくなっちゃうよな・・・」
湊は父が忙しくて、家族で出かけたのはこの植物園くらいしか思い出がない。いつも忙しくて、父は少し遠い存在だった。
自分も父と同じようになってしまうことが怖かった。