「命って奇跡なんだって樹と出会って、いろんな人と出会って思ったんだ。幸せな時間には限りがありかもしれない。時間の流れを止めることも、逆らうこともできない。でもさ、思い出として残るんだよ。のこるものがあるんだよ。命は永遠に続いていく。」
樹は今まで出会った人のことを思い出していた。
自分の両親、陸の両親、湊の両親、廉や葵、理恵たち、そして陸・・・。

「たくさんの人の命がつながって永遠になるって名前。」
「いい名前だね・・・」
「樹、頑張ろうな」
「うん・・・」

樹は痛みに襲われるたびに湊の手を握りしめた。
湊は樹の手を握り返しながら耳元で励まし続ける。


長い長い夜が明けて新しい年を迎えた時
新しい命が生まれた。