「なんだか今日、おしゃれしてません？」
樹の言葉に理恵がばれたかというような表情になる。
「実は今日会うんです。元旦那に。」
「え？」
「これからもちょこちょこ会おうってことになって。」
「よかった」
樹が微笑むと理恵が樹の方に近づいた。
「やりなおすとかではないけど、まずはずっと言えなかったことが言えてすっきりしたんです。お互いに遠慮ばかりになっていてぎこちなかった関係が少しずつまたかわってきてる・・・かな」
そう言ってはにかむ理恵がとてもきれいに見えた。
「敬語はやめてください。」
「じゃあ樹さんも」
「私は年下ですから」
「私たちそんな関係じゃないでしょ？腹割って話した仲じゃない」
「そうですね」
樹と理恵は笑いあいながら敬語を使わない関係になった。