樹は陸を呼び止めることはしなかった。
そのかわりに「ありがとう」とつぶやき自分の手を握る小さな手を握り返し、振り返って歩き出した。





ばいばい、陸。

また会う日まで。



久しぶりに眠りながら涙を流す樹。
その涙を湊が拭うと樹はにっこりと微笑みながら湊にすり寄ってきた。


湊は樹を優しく抱きしめた。