一夜からはじまる恋

樹は前よりもたくさん陸の病院に顔を出すようになっていた。
ほとんど毎日のように顔を出す樹に陸の母は様子がおかしいことに気づいている。

「なんか痩せたんじゃない?ちゃんとごはん食べてる?」
「夏バテか、最近食欲なくて。いいダイエットになってます。」
「そんなこと言って、元から痩せてるんだからちゃんと食べないと暑さに負けるわよ?」
「はい。」
陸の母から渡されたプリンを食べながら樹は陸の母と話していた。
「このプリン、陸大好きだったわよね。」
「はい。ひとりで何個も食べるからよくケンカしてました。」
「そうそう。今日は2つずつ食べちゃいましょ?」
「はい」
陸の母に樹が笑顔を返すと陸の母は陸を見た。
本当は悔しかった目を開けてごらんなさいといいたい。
でもそんなことを言ったら樹をさらに追い込むだけだとわかっている。