一夜からはじまる恋

「樹さん?」
トイレの外から理恵が声をかける。
ひとしきり胃の中のものを吐ききると樹は口をすすいで部屋へ戻った。
「大丈夫ですか?」
理恵が樹の方へ近付く。
「ただのつわりですから」
「念のためバイタルチェックしますね。水分だけでもとれます?」
「今は・・・」
樹が再び吐き気に襲われていると電話が鳴った。
理恵が電話にでる。
「はい、高瀬です」
当然のように名乗る理恵。当たり前のことだと思いながらも気にしてしまう自分を樹はどうかしていると責めた。
「湊。・・・うん。わかった。・・・それがつわりがひどいみたいで今からバイタルチェックしようと思っていたの。・・・え?・・・了解」
湊はいつも自分の携帯電話に電話やメールをくれる。