「無事にこの子が生まれたら会いたいな。」
「会えるよ。」
「うん」
樹はそっと自分のお腹に手をあてた。
「この子もよく頑張ってくれたな」
「うん」
「今まで以上に気を付けないとな。」
「はい」
二人がそんな話をしながら家へ帰るとすぐに湊が雇った家政婦兼看護師が訪ねてきた。

「彼女が樹の体調の確認とか家事を引き受けてくれる和田理恵さんだ」
樹は想像よりも若いその人に少し緊張した。
「実は彼女も医大の同級生なんだ。」
「初めまして和田です。よろしくお願いします。」
きりっとして凛々しい女性に樹は自分とは違うタイプと直感的に思っていた。