次の病院受診の時。
「高瀬樹さん」
と名前が呼ばれると樹はくすぐったい気持ちになった。
隣に座る湊も笑っている。

こうして幸せを実感しながらあっという間に樹は妊娠8か月になった。
「男の子ですね。」
「はい」
エコーを見ながら湊は嬉しそうに微笑んでいる。
その顔は徐々に父親になっていた。
「元気ですねー。今日はお顔見せてくれてるね」
「本当だ。」
二人は病院からもらったエコーを見ながら誰に似ているか、どんな顔か想像を膨らませていた。