驚いた顔の樹を見ながら湊は話始めた。

「お墓にひとりで挨拶に行ったんだ。樹と行ったあと。そこで偶然お会いしたんだ。速見さんのご両親にも何度かお会いして挨拶した。」
樹が瞳に涙をいっぱいためながら湊を見る。


「勝手なことしてごめん。でもちゃんと男同士の約束を交わしたかったんだ。それに速見さんのご両親も樹にとって大切な人だろ？」
樹は首を横にふる。

湊の気持ちが素直に嬉しかった。

「ちゃんと話したかった。それでご実家にお邪魔したときにブーケの話聞いたんだ。」
樹はもう一度花屋の中で作業をする陸の母をみた。

「勝手にお願いした。さっき決めたドレスの写真をおくったらさっそくブーケの練習するって返事が来たんだ。」