「しばらくお休みしてしまい申し訳ありませんでした。私事ですが現在妊娠しておりまして、2か月間仕事をさせていただいたら本当に勝手で申し訳ありませんが退職させていただくことになりました。いろいろとご迷惑をおかけしますができることを精一杯させていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。」
樹が自分の部署であいさつをすると沈黙していた社員はすぐにひそひそ話を始めた。
「社長夫人だって」
「仕事しずらいよね」
「どうやってゲットしたのかな」
「納涼会の時、捻挫したって嘘だったんじゃない?ビッチ~」
「妊娠って納涼会の時にやってたってこと?最低」
「仕事なんてしなくても生活できんだろって」
聞きたくなくてもいろいろな言葉が聞こえてくる。
それでも中途半端な状態で辞めたくはないと復帰を決めたのは自分自身だと樹は自分に言い聞かせた。