一夜からはじまる恋

「亡くなった彼の分まで君を愛すとは言わない。そんな軽はずみな言葉で亡くなった彼と君の時間をわかったふりなんてできない。でも、君がうれしい時も悲しい時もそばにいる。これからはずっと俺が一緒にいる。」
湊は緊張しているのか手が少し震えていた。
「彼を忘れてほしいとは思わない。いつまでも君の心の中に彼がいてもいい。でも俺がこれからの君を幸せにする。いつか俺のことを好きになってもらえるように努力する。大きな悲しみを思い出して寂しい時は俺が抱きしめる。」
樹は湊からの言葉に愛があふれていてまた涙が流れた。

どんなに涙を流しても癒えることのなかった悲しみ。

今流れる涙はあたたかい悲しみとはあきらかに違う涙だった。

「君とこの子の未来を俺にください。」
「・・・はい。」
湊からの改めて贈られるプロポーズの言葉に樹はうなずいた。