少しして湊は樹から体を離し樹を抱き上げた。
「えっ!?」
「入るぞ」
そういうと湊は樹を抱き上げたまま玄関から寝室に向かった。

樹をベッドに寝かせると湊は少し低い声で話始めた。
「どうして俺に連絡しない?」
「・・・」
「企画部の課長から休暇願いを受け取って初めて今の状況を知った俺の気持ち、わかるか?」
「すみません」
「謝ってほしいわけじゃない。」
「・・・」
「心配した。生きた心地がしなかった。心臓が壊れるかと思った。」
湊の表情がゆがむ。
「こんな気持ち初めてだ。」