湊が迷わずに向かった先は一面のひまわり畑が広がる広場だった。
「きれい」
「だろ?」
樹が思わずもらした言葉に湊は嬉しそうに返事した。

「ここ、迷路にもなってて子供たちも喜んでるんだけどさ。今日は体調も心配だからこっち。」
湊は一面のひまわり畑を見渡せる施設内のカフェに樹を案内した。

「ここの季節の果物で作ったシャーベットがおいしいんだ。」
つわりがまだある樹に食べられるものだったことに少しほっとしていると
「どれか食べられそうなものある?飲み物もあるけど。」
湊がメニューを渡しながら樹の顔を覗き込む。

「今日はつわり落ち着いてるんです。」
と樹が話すと
「よかった~。本当は今日どうしたらいいか結構悩んでたんだ。体調に合わせたいけどせっかくだから楽しんでほしいし。」