樹が考えを巡らせていると湊が眠そうに目をこすった。

湊だって疲れているはず。それなのに一生懸命自分との時間に向き合ってくれていることが樹は素直にうれしい。

「ごめん、寝てた。」
「私こそごめんなさい。眠っちゃって。運転してもらっているのに。」
「俺助手席で眠られるの、苦じゃないし、むしろ運転で安心してもらえてるのかなってうれしくなるほうだから気にしないで。」
湊の運転は心地よかった。

「今日はここに来ました。」
樹が湊の言葉に外を見ると植物園だった。

「来たことある?」
樹が首を横に振ると
「よかった。ここ、すっごくおすすめなんだ」
と満面の笑みで湊は樹を見た。