「はぁ・・・。」

周りが静かで空気がよく石に波打つ音しか
聞こえない綺麗な海岸の石に座る少女1人。

「・・・何も考えなくてゆっくりできるな」

波の音で浸っている綺麗な少女の近くには
女の啜り泣く声が聞こえた。

「…グスッ…グスッ…ズズズッ…グスッ」
「……。」
「…グスッ…グスッ…」
「……はあ。」

面倒くさいので無視をしようとしたが
我慢できなくて

「…おい。」

泣き続ける少女に近づき声をかける

「グスッ…グスッ…」

声が届いていないのか泣き続ける少女。

「…うるさい。」

機嫌が悪いのか眉に皺を寄せ放つ言葉

「グスッ…え…グスッ…」

人がいる事に気づいたのか視線を向ける。

「………。」

静かに壮大に拡がっている水を見つめる少女

「あなた…グスッ…だれ…」

静かに知らない人に話をかけ始める少女

「………。」

それでも無視を続ける少女がいる。

「グスッ……ふう。」

泣き止む様に深呼吸をした少女

「……。」

「あなた…名前は?」

「……。」

口を開かず視線を少女の方に向ける

「え!!!かっこいい…」

男性と思ったのか見惚れはじめた少女

「…他所に行ってくれ…邪魔」
「え」
口を開いたと思ったら爆弾の様な一言。

「邪魔って…そんな言い方ないでしょ!」
「……。」
「ちょっと、聞いてるの?女の子に向かって」

少女が肩に触れた瞬間…胸ぐらを掴まれる

「……私に触るな…やるぞ…」
「えっ…」

突然な事についていけてない様子で慌てる

「…って…私…その…あの…初めてなんです!」

「………は?」

少女の意味のわからない発言で拍子抜けの様子

「あの…その…責任は…とってくれるよね…?」

「…ふ…はは…あんた…そんな趣味あんの?」

突然笑い始め胸ぐら離し 少女は驚き始める

「っぱり…やっぱりかっこいい!!!」
「…は?」
「一目惚れしました!付き合って下さい、」
「……あんた……まじで言ってる?」

少女の告白に対して嫌そうな顔を浮かべた

「好きになったんだからしょうがないでしょ!」

頬を赤く染めつつ、凛とした表情の少女。

「…私、女だけど。」
「…そうですよね…女だよね…って女…」

放たれた言葉に対して驚きが隠せない少女

「…そんな…だって…イケメンだし…え…」

「……知らないよ…」

「ごめんなさい!!!」

視線を海に向ける少女と謝り続ける少女2人

「……もういいから…帰んな。」

「…私!山崎彩香!16歳!貴方は?」

「……咲希だけど。」

ー 突然な展開に驚き名前を伝えた 咲希 ー

「咲希ちゃん……お友達なろ」

眩しい笑顔を咲希に向ける彩香だけど…

「断る。」

キッパリと断った咲希。

「えー 断らないでよー 」

断る咲希に対し、しつこい彩香

「……くどいぞ…」

「はあ…ま、いっか!話した時点で友達だよ」
「……あんたって…」

かなりのプラス思考加減に咲希は驚きを
隠せず、顔近づけ一言放った

「え?」
「頭の中…お花畑…?」

「ななななななによそれー!!!!」
「…ふ…もういい…」

頬を赤らめ騒ぐ彩香に対し
一瞬笑い海岸を後にした。

「…ねえ…咲希ちゃんって…高校生?」

大きな声で話しかけ、不思議そうな表情する

「……そう。」
「そうなんだ!同じ学校だったらよかったね」
「…絶対嫌だ…じゃな」
「なによーもう!!!!またね、咲希ちゃん」

質問に対し嫌な顔をしてバイクで
その場を去った咲希
その反対では、居なくなる
咲希の後ろ姿に笑顔を向け一言告げる彩香。