それから俺は病院を出て家に行った。母さんと父さんはもう少し話を聞くらしい
家について俺は布団に潜って声を殺して泣いた‥‥辛くて辛くて‥これまで頑張った意味がなくなるのだと思ったらすべてがなかったことになるのだと思うと‥‥どうしようもない気持ちが胸を襲った

それから俺は寝てしまった

しばらくして親が帰ってくる音がして目が覚めた
「潤‥おいで‥」
母さんが言った
母さんは俺を抱きしめてごめんね、ごめんね‥‥‥と何度も謝った
その後ろで父さんは苦しそうに泣いていたのだ
母さんは何も悪くないのに‥‥‥
俺は虚しくなるし、自分が何もできない、母さんも泣かせ、親よりさきに逝くどうしようもない親不孝者だ
でも、確かに病気になったとしても‥‥親が泣いて、心配してくれることはとても嬉しかったのだ