* * *
私は自室に篭って夜空を見ていた。
大きな月を眺めながら、心に決めたことがある。
昼間、私は七々さんから、重要なことを聞いたのだ。
明日の遠征で、軍の給仕をする人が足りないらしくて、民間で募集があったんだそうだ。
平煉さんも誘われたらしいけど、断ったと言っていた。
どうやら、まだ一人、欠員がいるらしい――と。
私は、その話を聞いてすぐに公務奉へと走った。
そして、その欠員の一人になった。
私は明日、クロちゃんと遠征に行く。
七々さんは冗談で言ったんだろうけど、私はクロちゃんの職場を見に行く。
そこで、もしかしたら……男子同士のイチャつきを……好きな人のイチャつきを見るかも知れないけど……。
でも、それならそれで、はっきりさせたい!
それよりもイヤなのは、魔王目当てだと言われることだもん……。
――だから、私は明日、確かめに行く!



