「竜王機関には、こんな格言が伝わっている。
〝歴史(ことば)は生者のみが創り、死者は語らない〟
 歴史というのはいつも勝者のみが創るのだ。
 敗戦国は勝戦国に歴史を塗り替えられる。
 書物を作りかえらえ、汚名を着せられ、生きねばならない。
 良い事も、悪い事も、全てを上塗りにされる。
 どんなに良い行いをしても、勝者は悪意によって死者を貶す。
 では、誰が敗者の声を聞く?
 人はいつかは死に絶える。
 歴史が歴史になるまで待てば、報われる日も来るかもしれない。
 どこかの学者が真実を見つけてくれるかも知れない。
 だが、そんな保障はどこにある?
 だから我々竜王機関は記すのだ。
 国などに左右されない。本当の歴史を刻むのだ!
 我々は純粋な歴史学問の語り手になる!」