―――― ――――― ―――――

 魔王伝説――新約書。
 
この世界には魔王と呼ばれるものが存在する。
この世界のどこかに封印されていると云われている魔王は、実体がないのだそうだ。
魔王には意思が無く、また生命(いのち)すらない。
魔王の正体は、莫大な力、エネルギーの塊、そう伝えられている。
魔王が復活したのは今から六五〇年前。
世界が危機に瀕した時、流浪の民である結界師の男、磁力を操る男、重力を味方に出来る女、剣の達人の老師、血液を操る魅惑的な女、そして各国の王様が、魔王を呼び出し、世界の危機を救った。

 ―――― ――――― ―――――

 一方、旧約書は――。

―――― ――――― ―――――

 魔王伝説――旧約書。

この世界には魔王と呼ばれるものが存在する。
この世界のどこかに封印されていると云われている魔王は、実体がないのだそうだ。
魔王には意思が無く、また生命(いのち)すらない。
魔王の正体は、莫大な力、エネルギーの塊、そう伝えられている。
魔王が復活したのは今から六百五十年前。
あまたの犠牲を出して、魔王は復活した。
魔王の復活には、力を持つ者が数人で輪を組み、祝詞を唱え、生贄を授ければ良いとされ、贄が魔王の器に相応しければ、魔王はその者の中に宿る。
しかし、相応しくなければ、魔王に吸収され消える。
魔王に相応しい器は、中々現われるものではない。
故に、六二五年前の魔王復活の折、贄の犠牲となった者は五千とも、一万とも伝えられている。
魔王となった者はその力を使って、世界を滅ぼしたとも、世界を救ったとも云われている。
その恐るべき行為を実行に移したのは、流浪の民である結界師の男、磁力を操る男、重力を味方に出来る女、剣の達人の老師、血液を操る魅惑的な女、そしてとある国の王だ。
この六人は、魔王の力を使い世界を滅ぼしかけたが、各国の協力によって打ち滅ぼされて、魔王は封印された。

―――― ――――― ―――――